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ふう

すぐに浄化すべく白レオ投稿だぜベイベ

彼女は酒飲みの割りに甘党である。
むしろ、甘党どころか何でも食う。それはそれは美味しそうに、大体のものは食べきってくれる。

「美味しいでござるか?」
「うん」

あまり使い慣れていないらしいフォークの持ち方。白いのに傷だらけの手が不器用にケーキを突き刺す。
小さく開かれた口へと、白いクリームの乗ったケーキのかけらが滑り込んでゆく、途中で逃げ出した。
あ、と残念そうな声。青いワンピースの胸元に白いクリームが足跡を付けた。

「…あーあ…」
「あぁあぁ、早く拭くでござるよ」
「勿体無い…」

すごく残念そうに、胸元をハンカチで拭う。
眉根を寄せてぐいぐいと擦り、一段落つけるとまたすぐにケーキに手を伸ばした。
先ほどより速いペースで、ぱくりぱくりとあっという間にケーキはレオナの口の中へ消えてしまった。
最後の一口をフォークに突き刺し、口に運ぶ途中で、はたりと動きを止めた。

「白騎士、あーん」
「ぬ、ぬぉぉ!?何ですと!!?」

白騎士は文字通り飛び上がった。飛びあがって足をぶつけて、机ががたんと音を立てる。
レオナはその様子を見て少し俯いて悲しそうな顔を見せた。

「嫌なのか?」
「い、いやいや嫌じゃないでござる!むしろ至極の喜びでござ…ハッ!?」
「…もういいや」

結局最後の一口は、早くも痺れを切らしたレオナが食べてしまった。










何かを話しているのだろう、お互いに見つめあったまま時折笑っている。
彼の主であり、彼女の恋人である白騎士が少々つまらなくなるほど楽しそうだ。

「…何、話してるでござる?」
「ん?ふふふ、白騎士のドジ話を聞かせてもらってたんだ」
「!?りゅ、流星号!お主の夕飯抜いてしまうでござるぞ!!?」
「あははは、そのへんの草を食べて凌ぐからいいってさ」

流星号は白騎士の愛馬である。ギルバートに頼るようになってからあまり一緒に旅をすることができず、レオナが代わりに世話をしているのだ。
そしてそのおかげでレオナは流星号とともに白騎士の旅路を追いかけ追いつきまた共に旅をするに至ったのだ。

「ムム…」
「フフ、いいじゃないか。…少なくとも、私はお前のことを…」

眉を寄せて唸る白騎士に、レオナは笑って慰めようとして…一時停止。
自分がどれほど恥ずかしいことを言おうとしていたかを考え直し、うっすら赤くなって俯いた。

「なんでござる?」
「…う、うるさい」
「なな、何ででござるか!?」

二人のかもし出すピンク色の空気に当てられて食欲減退しそうだ、と流星号は思ったのだった。







二人焚き火の側に座って、星空を見上げる。
いや、もしかすると、片方は星も見えていないかもしれない。

「レオナ殿…眠いのなら眠っていても構わないでござるよ?」
「い…や、大丈夫だ…」

睡魔に必死に抗いながら、うるんだ目をごしごし擦る。

「…寝ないと、体が持たないでござるぞ」
「イヤだ…寝ない…」

首を振って否定するも、もうすぐに瞼が閉じてしまいそうだ。
ここ最近、彼女はずっとこうなのだ。最近一緒に旅をするようになって、ずっと。
あまり一人で眠りたがらない。野宿で見張りを交代でしよう、と言っても結局隣で座っている。
宿だって同じ部屋を取りたがるのだ、白騎士は色々気が気じゃない。

「ほら、ちゃんと寝るでござる。ガボを見習うでござるよ」

おなかを出して、流星号を枕に眠るガボの毛布をかけ直す。
それでもレオナは首を振った。というか最早眠気の余りか、首がすわらない。
首ががくんと落ちて、うぇえと間抜けな声を上げてまた目を擦る。

「どうしてそんなに寝たがらないでござる…拙者も困るでござるよ?」
「う…ん~…」
「レオナ殿~…」

まともに会話すら出来ない。白騎士が困った声を出した。
と、手にあたたかな感触が。

「レ…オナ、どの・・・これは・・・!!」

白騎士の手を、レオナがぎゅうぎゅうに握り締めているのだ。普段の握力でやられたら弓使いの彼女だ、上手くやれば骨くらいバッキバキに出来るはずだが今は眠すぎてか、かなり弱弱しい。そして末端に集まった血液のおかげで手がとてもあたたかい。
白騎士は緊張などなどによって上ずった声を上げた。その彼の声をさえぎるように、レオナの声が上がる。

「だって…白騎士…わたし、を、おい…ていく」

すごくさみしい、と普段聞けないような、甘えた小さな声で。
そんなに潤んだ瞳で言われたら、危うく理性すら吹き飛んでしまいそうだ、が白騎士はそれをぐっと堪えた。

「知らないうち…い、ないんだ…さみしいから…」

掠れて途切れた、切なげな声。こんな声を出させているのは自分なのだ。
罪悪感と優越感が襲い来る。
ああ、自分は彼女にこんなにも思われているのか。
ああ、自分は彼女にこんなにも寂しい思いをさせていたのか。

「レオナ、こうしていれば離れられないから」

手をしっかり握り返し、レオナをそっと抱きしめる。
眠たげに細められていた青色の目がぱちくりと一瞬丸くなったと思ったら、ふにゃっと三日月形に歪んで、すぐに閉じてしまった。
瞼が下ろされるとほぼ同時に、呼吸がすやすやと規則正しい寝息に変わる。
その様子をにっこり笑って見ると、白騎士はまた満天の星空を見上げた。



そう、あなたがいれば何もいらないなんて、嘘っぱちだ。
あなたがいたとしても、そのあなたが私を見るとは限らない。
そもそもあなただけが存在して私はいない、となると実に悲しい。

「どうしたんでござるか?」
「なんでもない…」

肌に伝わるひんやりとした鎧の感触。そっと撫でると、無数の小さな傷がでこぼこを私の手に伝える。
こちらを見上げる彼の顔は鎧兜に覆われていて、見えない。
黒いきれいな目だけがこちらをじっと見つめてくる。
その目を見ていたら、急に恥ずかしくなってしまった。何の解決にもならなそうだが、彼のマントに顔をうずめてみる。
この赤い顔くらいは隠せるだろう。

「…白騎士…私を置いていかないでほしいな」

彼の困った顔が目に浮かぶ。だが生憎、私は目を瞑ってマントに顔を埋めている。
お前の顔を、今だけ少し、見たくない。
我侭をちょっとだけ、許して欲しい。





終わり。ボリューミーにしないと私の文じゃちょっぴり役不足だから頑張ってみたよ
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Author:BEZi
ポポロクロイスとかスカルガールズとか進撃とか。基本パロディや人外大好き。あと名前はついったーと統一してみました。

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